オータムクラシック私感〜後編〜
この夏私は、弱虫ペダルやらCITIZENやらロッテやら西川やらの怒涛の情報の渦に飲み込まれていた。全ての機能を失ってしまっていた。
トウループ、サルコー、ループ、ルッツ、フリップ全てやってる…?
4Aのために5回転練習してた…?
5Tを(ハーネスで)2回目で降りた…?
今日はほんと調子いいから4A跳びたいって直訴したけどジスランが止めた…?
ありがとう、ジスラン。。
ハビと再開…?心底嬉しそうにハグを…?
久しぶりでちょっと恥ずかしそうだなんて可愛すぎでしょ。。
だからこそ僕がジャンプをやる際、ステップ、スピンをやる際、すべてにおいて正しい技術を使い、そして、それを『芸術』として見せることが一番大切なことだと思っているので、難しいジャンプを跳びつつ、それがあるからこそ『芸術』として成り立っているんだなというジャンプを、これからもしていきたいと思います」
言葉にして実行する。
羽生くん、凄い。
もちろん悔しい部分もあっただろうが、シーズン初戦でこの出来、今シーズン羽生くんが目指すレベルの高さを改めて見せつけられた思いだ。
それと同時に思うこと。
ああ、他の誰にも出来ないだろう、この美しさ・完成度を持ってしても今の構成では勝てないと考えているのだなと。
今できるジャンプ全てをこの完成度まで持っていく、加点を狙う。だけでは勝てないと。
1点でも基礎点の高いジャンプ構成にして、さらに、それの完成度を高めて、0,1点でも多く加点を取りにいこうとしているのだと。
フリーの「origin」ではそれがはっきりと窺えた。
羽生くん、凄い。
凄いしか言えない。
羽生くんの足の状態で、新しいジャンプを身につけようとする事に伴うリスク。
何せジスラン曰く、4Aは転べばスクールバスに衝突したくらいの衝撃があるジャンプ・・😱
ただでさえ無理な負荷がかけられない足首で、細心の注意を払いながら練習を積むことの難しさ。
もうすぐ25歳を迎える心と身体、バラバラになりそうな時もあるだろう、そのどちらも置き去りにせずに日々を過ごす難しさ。
それは羽生くんをもってしても未知の世界なのかもしれない。
そう考えると私みたいな凡人は怖さに取り込まれそうになるが、羽生くんはきっと、未知の世界を切り開くための確かな地図を描いているはずだ。
自分の感覚、経験、知識、技術、他者の見識をつめこんで。
ワクワクやドキドキもつめこんで。
だからこそ、北京にも触れた。
皆も嬉しいかな、って言ってくれた。けど。
それは勿論嬉しいし、羽生くんはそういう優しい人だと思いつつ。
羽生くんには自分の声だけを聞いていてほしい。自分の気持ちを大事に。負けて悔しい気持ちやスケートを好きな気持ちや子供のころの夢を叶えたい気持ちを大事に。
どうかどうか、怪我なく。
一歩ずつ前へ。
スポニチさん記事。オータム後のインタ。
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/09/19/kiji/20190918s00079000485000c.html
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/09/20/kiji/20190920s00079000157000c.html
今大会、特にフリーではジャッジについて色々言われているが、対処すべきところはオーサー始めクリケ陣営が対処しているだろうし(この密室性がフィギュアスケートが抱える問題の根幹だとは思うのだが)、羽生くんは羽生くんでどう対応するか考えているはずだ。
今回のジャッジがルール改正に則した正しいジャッジだったとするならば、初戦であるこの試合でわかって良かったと思いたい。
立ち止まっている時間はなくて、もう、すぐ、GPシリーズが始まる。
見とけ!世界!
羽生くんがそう言ってくれているのだから、
私は信じて、待って、応援するのみ。
今を一生懸命生きてる、と何のてらいもなく真っ直ぐに言えるこの人を、ただ精一杯。
大好きすぎる、小海途神によるお写真。