はもブログ

まだジャンプを見分けられないまだ国旗も持ってないスケオタになりきれない永遠の初心者はもによる、ただただ羽生結弦さんへの愛を叫ぶ、羽生結弦さん試合観戦記※ほぼお茶の間たまに現地

スケートカナダ2019・私感〜He has a heart of gold〜


新たな試合は、またしても生涯忘れ得ないだろう試合になった。
スケートカナダ2019。



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スケカナ4度目の挑戦にして初戴冠、322,59点というハイスコアもだが、

あの羽生結弦羽生結弦であることに迷い自信を失いかけ、羽生結弦が歩んできた道を信じきれなくなっていた、ということが衝撃だった。



先のオータムに顕著に現れたジャッジの不明瞭さ。

多くのファンは思ったのではないだろうか。
実施されているエレメンツに対してジャッジが正当なジャッジをしないのであれば、いっそのことつなぎを外してジャンプに集中するプログラムにしてみては…!と。
そうしたらどれほどのスコアが出るのか…と。

しかし、しかし、それは羽生結弦のプライドが許さないだろう、羽生結弦は絶対にそれはしないだろう、と。
羽生結弦が歩んできた道を否定するようなことは絶対にしない、と。

それがどうだろう。羽生くんがそれをしようとしたのだという!
今大会もし羽生くんがこれまでのスタイルを捨てた演技をしていたら、、
これはスケート界全体に与える影響として大きな意味を持つ。
これから先この競技が進む道を変えさせてしまったかもしれない、それぐらい大きな意味を。

羽生くんがそれをしようとした中で、最終的に何が、自分にはやっぱりその道ではない、もう一回ぶつけてみようと思わせたのかまでははっきりわからない。
わからないが、この事実が今あることに感謝したい。

もう一回ぶつけてみよう、
それにはどれほどの勇気が必要だったことだろう。
そんな不安・葛藤を抱えながら、反面“スケカナ”、“300点”というプレッシャーを自分にかけてもいた。

本当に何という男だ、羽生結弦
こんな局面でも自力で扉をこじ開けた。



そして胸に強く響いたのが「ジャンプで表現できるよ」という言葉。

自己肯定でもあるし、王者がフィギアスケートの進むべき道を指し示したスケート界全体へのメッセージでもある。

技術だけでも表現だけでもない。ジャンプさえ表現の1つ。
技術も表現もどちらも含めたパーフェクトパッケージこそフィギアスケート。
これぞ羽生結弦。本当にかっこいいし尊敬する。

今年1月の欧州選手権後のハビの言葉も思い出す。
「スケーターとはジャンプだけでなくスケート全体が評価されるもの」

“ジャンプで表現できる”ことを共有できる数少ない仲間の1人であろうハビの言葉。

羽生くんは、誰も達していない領域に達していると言う意味で孤独であるかもしれないが、一人ではないと思えるのだ。
一緒に食事したり外出したり、と言うわかりやすい友達関係ではなくとも、確かに2人の間につながる絆を感じる。
スケカナとは直接関係はないが、このタイミングでそんな2人が西日財団賞を受賞したことにも、やはりなにがしかの縁を感じずにはいられない。


https://www.esjapon.com/ja/vii-premios-fcej-34288


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(2人で受賞なんて、尊すぎる…)




そんな重い覚悟とプレッシャーを抱えていながら、それでいて、とてもとても澄み切った穏やかな顔をしていた。


集中の仕方を探っているということだが、あの穏やかさは手探り状態の中でコントロールしながら出てきたものだったのだろうか。

それとも、一人のスケーターとしてだけではなくスケート界全体を牽引する存在としての責任感のようなものがそうさせたのか。

それとも、これから来たる更なる飛躍の前の静けさ、凪のような状態にあったのだろうか。

今はまだわからない。今後の羽生くんがいずれ答えを見せてくれるだろう。

それが何だとしてもこれまでの羽生結弦とはまた違う、一段ステージを上げた羽生結弦を感じさせた。


きっと今大会の経験は、今後の試合への臨み方を考える時、新たに使える経験として羽生くんの中にストックされていくはずだ。

経験は増えていくが、年齢も状況も変われば、使えなくなるものも出てくるのだろう。
いつでも引き出せるこれまでの経験、今後に使える新たな経験、それらをまたうまく脳内のファイルに一つ一つ整理していける、そんなきっかけにもなったのではないだろうか。


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スケカナ2019はまさかのパリ散で幕を閉じた。

懐かしいものをやっていきたいなっていうのがよみがえってきた、と優しいことを言っているが、

スケカナ2013のリベンジをきっちり果たしにきたんだよね。
大好きだよ、そういうところ。

今シーズンEXはこの流れでしょうか。
色々妄想していいのでしょうか。
妄想するだけなら自由と許していただけるでしょうか。
いいよ、という声が聞こえた気がするので、妄想だけ失礼します。
24歳のレッツゴークレイジーとか、
25歳のダムパリとか、
25歳のChangeとか、
25歳のオペラ座とか、
25歳のパガニーニとか、
25歳のSing Sing Singとか、
25歳の、、、
すみません、妄想が止まりません。




私は羽生くんしか追ってないからわからないんだけど、こういう選手って他にいるのかな。

過去プロを試合のように魂を込めて滑り、幾つになっても愛を込めて大切に滑れる人。

であると共に選曲・衣装含めて観客を熱狂させるエンターテイナーでもある人。



過去プロを全く色褪せさせず、更にその時その時で新しい色付けをして、忘れ得ぬ記憶を常に残してくれる。

一つの景色が季節ごとに色合いを変えながら見る者の心を満たしてくれるように。


18歳の青いパリ散も、24歳の成熟のパリ散も、どちらも今一度しかない一期一会の演技だった。


羽生結弦という希有な存在に出会えて本当に幸せだ。






これからNHK杯、GPF、全日本と年末までハードなスケジュールが待っている。
ここ数シーズン出場が叶わなかった試合、なんとしても出場したいだろう。

その心と、疲労が溜まってくる体とバランスをとりながら、一番の敵であるかもしれない怪我に細心の注意を払わなければならない。

とても難しいチャレンジだとは思うが、身近にいてくれるチームの支えも受けて乗り越えてほしい。


「自分は羽生結弦なんだ」
その揺るぎない自信を胸に。


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