はもブログ

まだジャンプを見分けられないまだ国旗も持ってないスケオタになりきれない永遠の初心者はもによる、ただただ羽生結弦さんへの愛を叫ぶ、羽生結弦さん試合観戦記※ほぼお茶の間たまに現地

四大陸選手権2020私感〜結弦が結弦であるために

四大陸選手権2020

沼落ちしてから何度思ったかわからないが、
今大会もまたしてもドラマチックな試合となった。
羽生くん、あなたって人は。

大会直前にバイオで皆の知るところとなったプログラム変更、SP世界最高得点の更新、初の四大陸制覇。

2011年16歳で初出場2位、実力からすればその後いつでも獲れたかもしれないタイトル、普通に考えればワールドよりオリンピックより先に獲れたかもしれないタイトル、ワールドを2度オリンピックを2度制して最後に残ったタイトルを、初出場から9年後の25歳で獲るなんて、羽生結弦劇場は本当に先が読めない。

そして、獲り切ったということが凄い。
なぜなら、最後のチャンスだったかもしれないから。
来季以降のことなどどうなるかなんて誰もわからない。
(羽生くん本人は何かしら決めているかもしれないが)
引退しているかもしれないし、現役を続けたとして出場したかどうかなんてわからないのだ。4Aに挑戦する以上いつだって怪我のリスクもある。
そんな中、獲るべきものをきちっと獲ったのだからやっぱり凄い。
ネイサンがいない、宇野くんがいない、という人もいるかもしれないが、はっきり言ってそんな事は関係ない。
羽生くんがいつも言ってることだが、記録は永遠に残る。
今大会残る記録は、羽生結弦がSPで世界最高得点を更新し四大陸を制したということと、それにより羽生結弦がスーパースラムを達成したということ。それが全てなのだ。

羽生くん、本当におめでとう。

f:id:ykmryk:20200213132737j:plain




羽生くんだって怖かったはずだ。
全日本以来の試合。
MoIでのインタでは氷の上に立つのが怖かったと言っていた。
その気持ちは今大会でも少なからずあっただろう。
ジャッジへの疑問はあるが、それより何より、ミスをしてしまうことへの怖さがあったと思うのだ。
羽生くんの中の羽生結弦の根っこの部分がぐらぐらと揺れていたのではないかと思うのだ。
率直に言うと、自信をなくしかけていたのではないかと。

メディアが煽るように今シーズンがどん底だったなどとは勿論思っていない。
昨シーズンからブラッシュアップをはかりながら、スケカナで見せた演技ははっきりと記憶に刻まれている。
(メディアは何故か今全く触れないけどね)
怪我にも細心の注意を払い、その努力の甲斐もありここまで怪我なく来れており、GPFではネイサンへの闘争心も強く漲っていた。

ただ、ここ、という時にミスがあった。
GPF、全日本とそんな試合が続いた。
全日本までのスケジュールは確かにハードだった。しかし、このスケジュールが決まった時点で(どのようにアサインが決まるのかはっきり分からないが)羽生くんはやれると腹を決めたはずだし、その為の計画を綿密に立てたはずだ。
が、結果として計画の通りにはいかなかった。

GPFでのジスランのアクシデント、SPのミス、そこに何かしらの意味があるのではないかと考えた極限状態、消耗した体力と精神力、そこから回復しきれないままに臨むことになった全日本。

計画通りにいかなかった要因は様々あるだろうしファンはそれは分かっているから大丈夫だよ羽生くん!と思うのだけれど、氷の上に立つのは羽生くん。
羽生くんにしてみたら怖くてたまらなかっただろう。またミスをするんじゃないだろうか?と。

エテリコーチの言葉を思い出す。
「過去のメダルは助けてくれない。次の大会で全てを証明するまでは何者でもなくなる」

そう。非情な言葉にも聞こえるが、競技者にはそれしかないのだと思う。
ミスをする怖さはノーミスの演技でしか払拭できない。

そして見事に羽生くんはそれをやってのけた。バラード第1番という最高のパートナーと共に。





スッと立つ背筋、柔らかい肩からふわっと伸びる両腕、滑らかに流れるフリーレッグ、風になびく少しの乱れさえも完璧な髪型、伏せた顔。
はあぁぁ…美しい…。

f:id:ykmryk:20200213132758j:plain




プログラム変更には賛否両論あるだろう。
そんなことは本人が最初から分かっての上だから、私達がどうこう言うことではない。

羽生くんが現地入りした時、“あなたの決断を支持します”というようなメッセージを掲げていたファンの方がいたが、支持されようがされまいが本人にとってはどうでもよかったのではないか。私達には分かるはずもないほどに深い涙や不安や迷いの先に決めた、自分の道を信じるために今必要なプログラム。私達の前に姿を見せた時点で羽生くんの意識はとうに高い所にあったはずだから。



そして羽生くんは伝統芸能という言葉を使った。一つのプログラムを究極のさらに先まで極める、そんな新しい道の可能性を提示したのだ。そんな選手は他にいない。


一昨年のジャパンオープンのあと、町田樹くんがプロ引退セレモニーで「みなさんの力でフィギュアスケートをブームから文化に変えていってほしい」と言った。

私は町田くんを見るためにジャパンオープンに行ったし、町田くんの演技からは確かに町田くんにしかできない世界観を肌で感じることができて満足しているのだが、この言葉には違和感を感じた。
それ、うちらに言うん?一番に言うべきはスケーターでは?と。
スケーターの意識がそうなってこそ、それを見る人達の意識が変わっていく、と思うのだけれど違うのかな?
見る側だけそのような意識を持ったところで、スケーターが見せる演技にそれを感じなければ文化になどなるはずがないよ…と。

だから町田くんに聞いてみたい。
今まさに競技という舞台でそれを成そうとしているスケーターがいることを、あなたはどう見ていますか?と。
おもしろい話が聞けると思うんだけどなぁ。




ちょっと話が逸れたけど、
さあ!羽生結弦羽生結弦になれるプログラム。
世界選手権まであと一か月。
SEIMEIをどこまで仕上げられるか。
4Aを入れてくるのか。
まだ降りれていないという現状を考えると今ここで無理はしてほしくない(ただリミットはあるだろうな…というジレンマは感じている…)、また、ここまで要素が凝縮されてるのだから4回転4本で精度を高めるのがいいのでは…なんて素人は考えてしまうが、どうなるか。
やっぱり5本必要なのか?と思わせるほどにネイサンの今の安定感はすごい。
不安が尽きないジャッジへの願いはただ一つ。ルールのもとに正しい点数をつけてほしい。

だけど、そんな中でも、羽生結弦羽生結弦になれた時、それはやっぱり無双なのだと、私は強く信じている。
改めてそう信じる力をもらった四大陸だった。



今はまずは体を回復させている頃でしょうか?
どうか怪我なく心身共に健康に世界選手権を迎えられますように。



そして、オトナル、オリジン、ありがとう。
あなた達がいてくれたから、羽生くんはきっとまた強くなれるよ。